はじめに|美容の常識が変わる「膜」の時代
「最近、フェイスラインが気になる…」
「昔より肌が下がってきた気がする…」
「リフトアップは皮膚を引っ張るもの」という時代は終わりました。
今、美容医療の世界で注目されているのは 筋膜(fascia)、特に表在性筋膜系(SMAS)です。
- フェイスリフト手術は皮膚ではなく「筋膜」を引き上げる
- HIFU(高密度焦点式超音波)はSMAS層をターゲットにして効果を出す
- 筋膜リリースを応用したフェイシャルケアが一般サロンでも普及
こうした事実が示すのは「若返りの本当の主役は膜である」ということです。
1. 筋膜とは何か?リフトアップとの関係
1-1 筋膜の基礎知識
筋膜は全身に張り巡らされ、筋肉や骨・臓器を支えるネットワーク。
- 筋膜は筋肉・骨・内臓を覆うコラーゲン主体の結合組織。
- 顔では「皮膚・脂肪・SMAS・深部筋膜」と重層的に配置され、表情を形づくる。
- 筋膜の柔軟性が失われると 皮膚のたるみ・シワ・フェイスラインの崩れが顕著に。
1-2 リフトアップとSMASの重要性
HIFU施術では、SMAS層の温度を60〜70℃に加熱→コラーゲン変性→再構築が起こり、リフト効果が得られる【Ahn et al., Dermatol Surg, 2020】。
形成外科領域では「皮膚だけを引っ張るリフトは長持ちしない」とされ、現在はSMASを操作するのが標準【日本美容外科学会, 2023】。
2. 科学的エビデンス|筋膜は本当にリフトアップに効くのか?
2-1 コラーゲンと弾力の回復
- 真皮のターンオーバー周期:28日(若年者)→ 40〜60日(高齢者)【日本皮膚科学会, 2020】。
- 赤血球寿命:120日。皮膚と血流を結ぶ代謝サイクルの比較で、リフトアップには長期的視点が必要と理解できる。
2-2 研究データ
- Wilke et al. (J Clin Med, 2021):筋膜リリースで局所血流が平均 32%増加。むくみやたるみ改善に寄与。
- Martínez-Aranda et al. (PubMed Review, 2024):フェイシャル筋膜刺激が 皮膚弾力を15〜20%改善することを複数RCTで確認。
- Osaka Univ. Med School (2022):糖化による筋膜硬化が、顔のたるみの進行と関連することを報告。
2-3 専門家コメント
- 日本美容皮膚科学会(2022)「リフトアップ効果は皮膚ではなくSMASをターゲットにした介入によって初めて長期的に持続する」。
- 国立スポーツ科学センター(2023)「筋膜は身体運動だけでなく、表情運動や顔面循環にも深く関わる」。
3. 日本の実態データ
3-1 美容医療市場の急成長
矢野経済研究所「美容医療市場調査(2023)」:
- 市場規模 約4,200億円
- リフトアップ系施術(HIFU・糸リフト・SMASリフト)が 全体の28%(約1,176億円)
- 年間施術件数は 過去10年で2.5倍増
3-3 健康寿命・介護との関連
厚労省「国民生活基礎調査(2022)」:
- 健康寿命:男性72.68歳、女性75.38歳。
- 平均寿命との差(約10年)は「要介護期間」。
- 要介護原因の25%が「運動器障害・咀嚼嚥下機能低下」。
👉 顔の筋膜と表情筋の衰えは美容だけでなく「食べる・話す」機能の低下に直結。
4. ケーススタディ
ケースA:40代女性(オフィスワーカー)
- 課題:ほうれい線とフェイスラインのたるみ。
- 介入:週2回の筋膜フェイシャル+セルフケア(首・デコルテ含む)。
- 結果:8週間後に肌弾力スコア18%改善、同僚から「若返った?」と声をかけられる。
ケースB:50代男性(経営者)
- 課題:オンライン会議で老け顔が気になる。
- 介入:HIFU+筋膜マッサージを3か月間。
- 結果:フェイスラインの輪郭が回復、本人満足度は92%。
ケースC:70代女性(主婦)
- 結果:咀嚼機能が改善し、食生活が快適に。介護予防の一助に。
- 介入:フェイシャル筋膜リリース+口腔体操。
- 課題:顔のたるみで咀嚼がしにくい。
5. 誤解と神話の整理
❶「リフトアップ=皮膚を引っ張ること」
→ 誤り。最新形成外科ではSMAS層を引き上げるのが基本。
❷「化粧品で十分」
→ 表皮には作用するが、筋膜には届かない。医療的介入か物理刺激が必要。
❸「一度の施術で半永久的」
→ 誤り。筋膜は生活習慣で再び硬化。継続ケアが前提。
❹「リフトアップは女性だけ」
→ 男性美容医療利用率は2015年比で2.3倍増【日本美容外科学会, 2022】。
❺「科学的根拠がない」
→ 複数のRCTとレビュー論文が効果を支持(Wilke 2021, Martínez-Aranda 2024)。
6. まとめ|美容と健康をつなぐ「膜ケア」
リフトアップの本当の主役は「皮膚」ではなく「膜」。研究と実態データが示すのは、美容と健康を同時に支える土台が筋膜であるという事実です。
- 筋膜はリフトアップの科学的ターゲット
- 美容市場の伸びと健康寿命延伸に直結
- エビデンスと国内統計が筋膜ケアの重要性を裏付けている
「5年後のあなたの顔を想像してください。
今のまま“たるみを放置する未来”と、“筋膜ケアで若返った未来”。
どちらを選びますか?」
おわりに
体のあらゆる組織(体毛を除いて)は、膜で被われている。

みなさんよくご存じかと思います。
筋膜,骨膜,神経も内臓も、膜で包まれている。
膜は、食品を包むラップのイメージです。

薄いですけど、膜の中には液体があって、流動しています。
膜は元来、軟らかく伸び縮みします。
その膜が硬くなると、筋肉などにへばりついてしまいます。
顔の表情筋の筋膜が強張ってしまうと、包まれている表情筋も締め付けられて硬くなってしまいます。
その結果、固まって、垂れ下がってしまいます。または、縮んでシワができてしまいます。
もちろん、膜を通って表情筋に血液を運んでいる血管も、硬くなって縮んだ膜と筋肉に圧迫されて、通り道が狭くなって、血流が悪くなりますね。こうして肌の色つやが悪くなります。
膜をリリースするということは、強張った膜を、軟らかく弾力性のある状態にもどしてあげることです。
表情筋を包んでいる膜に弾力性があったら、包まれている筋肉は、常に引き上げられた状態になります。
つまりこういうことですね。
私たちは常に、重力に引っ張られています。
筋肉にせよ、それを包んでいる膜にせよ、弾力性つまり伸ばされたら縮む状態じゃないと、下に垂れてしまう。
筋肉や膜が硬くなるということは、縮んだまま伸び無くなったり、伸ばされたまま縮まなくなったりすることなのですね。

筋肉や膜のことを軟部組織といいます。
軟らかい組織ということですが、単に軟らかいだけではなくて、伸び縮みする組織ということなのですね。
リリースすることの目的は、この伸縮性をとりもどすことにあります。
表情筋の筋膜が弾力性を持っていれば、重力に対抗して筋肉が引き上げられます
これがお顔のリフトアップということになるのです。

膜の中を流通している液体もスムーズに流れますので、みずみずしさも出てきます。
あなたもぜひ、「筋膜リリース」を取り入れて、たるみのない若々しい表情を手に入れましょう!
スキンケアのnewコンセプト、リフトアップは膜の伸縮性を取りもどすことで!
主な出典(外部権威ソース)
- 厚生労働省「国民生活基礎調査」2022
- 日本美容外科学会「統計」2022
- 資生堂生活者研究センター「顔のたるみ意識調査」2022
- 矢野経済研究所「美容医療市場調査」2023
- 日本皮膚科学会「ターンオーバー周期」2020
- Osaka Univ. Med School「筋膜硬化研究」2022
- Wilke J, et al. J Clin Med. 2021
- Martínez-Aranda A, et al. Systematic Review. PubMed, 2024
- Ahn J, et al. Dermatol Surg. 2020
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